European Study of Prostate Cancer Screening-23-Year Follow-up
前立腺癌のランダム化されたスクリーニング研究(ERSPC)は1993年から実施され、16年のフォローアップでは前立腺癌死亡を相対的に20%有意に減らしたが、ベネフィットは過剰診断、過剰治療により相殺された。今回、中央値23年間のフォローアップを検討した。ERSPCは1993年、オランダ、ベルギーで開始され、スウェーデン、フィンランド、イタリア、スペイン、スイスなどに拡充して実施。55-69歳の166236人をPSAによるスクリーニング群72888人、対照群89348人に割り付け。スクリーニング群ではPSAを最低2回、多くの施設では4年毎に測定。23年間のフォローアップではスクリーニング群で12%、対照群では14%に前立腺癌が発生。リスク比1.30(1.26-1.33)で、1000人あたり前立腺癌の絶対数増加は27であった。23年間の前立腺癌の累積死亡は1.4%vs1.6%でリスク比0.87(0.80-0.95)で、前立腺癌の絶対リスク減少は0.22%であった。23年では456人のスクリーニングで1人の前立腺癌死亡を減らし、前立腺癌と診断された12人で1人の前立腺癌死亡を減らした。これはフォローアップ期間が長くなると小さくなっていた。