2023年1月18日水曜日

COVID-19感染後のワクチン接種とAMI、虚血性脳卒中の関連

JAMA,2022,vol.328
Association Between Vaccination and Acute Myocardial Infarction and Ischemic Stroke After COVID-19 Infection

韓国のコロナ感染者登録での後方視的研究。2020年7月~2021年12月。COVID19感染後31日-120日のAMI、脳梗塞を評価イベントとした。ワクチン接種は2回以上を接種群とした。59万人が対象となり、うち231037人(ワクチン非接種62727人、接種1683210人)で検討。接種群(57歳)に対して非接種群(42歳)は有意に高齢で、合併症の罹患率が高かった。また、重症群、集中治療群は接種群で少なかった。AMI+脳梗塞のイベント頻度は100万人・日あたり5.49vs6.18で、年齢等で修正したハザード比0.42(0.29-0.62)で有意に減少し、AMIで0.48(0.25-0.94)、脳梗塞で0.40(0.26-0.63)であった。

COVID-19のモヌルピラビル+通常治療vs通常治療(PANORAMIC研究)

Lancet,2022
Molnupiravir plus usual care versus usual care alone as early treatment for adults with COVID-19 at increased risk of adverse outcomes(PANORAMIC): an open-label,platform-adaptive randomised controlled trial

英国、多施設、オープンラベルでのRCT。50歳以上の成人、18歳以上のリスクのある者でモヌルピラビル+通常治療群、通常治療群で1対1に割付。主要評価項目は28日以内の全入院+死亡。26411人がランダム化され、モヌルピラビル群12774人(56.7歳)、通常群12934人(56.5歳)で、入院+死亡は105例(1%)vs98例(1%)で修正オッズ比1.06(0.81-1.41)で有意差は認めなかった。主観的な改善日数は9日vs15日でモヌルピラビル群で有用であった。ウイルス学的検討では集中検査では7日目のウイルス未検出率は21%vs3%で有意に減少した。全例検討(238人、280人)では5日目のウイルス未検出率は8%vs3%であったが、14日目では逆に47%vs56%で、通常治療群の方が未検出率は向上していた。

2023年1月11日水曜日

ベイス・ネットワークメタ解析による好酸球増多を伴う気管支喘息でのメポリズマブ、ベンラリズマブ、デュピルマブの効果の比較

J Allergy Clin Immunol,2022,vol.150
Comparative efficacy of mepolizumab, benralizumab, and dupilumab in eosinophilic asthma: A Bayesian network meta-analysis

2000-2021年の8論文(6461例)で、生物学的製剤のRCTのメタ解析を行い、急性増悪率、1秒量、喘息質問紙法(ACQ)、有害事象等を検討した。それぞれの生物学的製剤の有用性のランク付けはSUCRA累積順位曲線下面積にて評価した。好酸球数≧300では、急性増悪のリスク比はデュピルマブ0.32、ベンラリズマブ0.49、メポリズマブ0.37、1秒量の変化はデュピルマブ+230、ベンラリズマブ+150、メポリズマブ+150、ACQはデュピルマブ-0.48、ベンラリズマブ-0.32、メポリズマブ-0.63でSUCRAの評価ではデュピルマブがより有用であった。好酸球数150-299では急性増悪リスク比デュピルマブ0.60、ベンラリズマブ0.62でSUCRAではベンラリズマブがやや有用であった。有害事象の頻度オッズ比でメポリズマブ0.67、ベンラリズマブ0.74で有意に低かったのに対し、デュピルマブ1.0で有意差はなかった。