2023年7月5日水曜日

筋力低下、筋痛の44歳女性

NEJM,2023,vol.388,no.16
Case Records of the MGH
Case 12-2023: A 44-Year-Old Woman with Muscle Weakness and Myalgia

5年前に関節リウマチと診断され、4年前よりヒドロキシクロロキンで治療開始するも肝斑で中止。MTXで治療するも効果なく、レフルノミドで症状緩和。6か月前より上肢、大腿に筋痛があり、上肢は頭より上に上げられなくなり、整髪や化粧が不可能となる。筋痛は運動や1日の終わりに悪化。上肢、下肢にジリジリするシビレ出現。3か月前にリウマチ科受診。CK:422、LDH:509、ANA320倍、抗U1-RNP抗体陽性。C3、C4正常、dsDNA抗体陰性、Sm抗体陰性。アザチオプリン開始。既往歴にバセドウ病、副甲状腺機能低下症、潜在性結核あり。姉妹にSLEあり。

鑑別診断:自己免疫疾患、オーバーラップ症候群、特にRAと特発性炎症性ミオパチー。
MCTD(ただし、U1-RNP抗体の力価不明)。
サルコイドーシス、アミロイドーシス(両方とも、近位筋筋力低下、手根管症候群によるシビレ)
薬剤性:イソニアジド、メチマゾール、ヒドロキシクロロキンは筋炎様の副作用あり
代謝性:甲状腺ホルモン、低カルシウム血症など
診断:血清Ca値5.9、P値4.5、PTH値35pg/mL→副甲状腺機能低下症による低Ca血症
筋MRI:T1WIでの脂肪浸潤、筋委縮なし。各種筋炎自己抗体検索(抗MDA-5抗体、抗SRP抗体など)→陰性
治療:グルコン酸カルシウムの静注等で症状改善。

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