2023年11月15日水曜日

成人での急性限局性細菌性腎炎の臨床特徴

Scientific Reports,2022,vol.12
Clinical features of acute focal bacterial nephritis in adults

急性限局性細菌性腎炎AFBNは急性腎盂腎炎と腎膿瘍の中間的な病態と理解され、小児での報告例は多いが、成人例ではまれである。中国河北省石家荘市にある河北大学第2病院で2014-2019年にAFBNと診断された238例について検討した。AFBNは全例、造影CTで楔形の非造影区域があるものor非造影のmassがあるものとした。中央値46.9歳、DM28.6%、尿管結石17.2%、前立腺疾患4.6%を合併。症状は発熱が主で、抗菌薬開始後も4日以上持続していた。尿培養陽性38.2%、血培陽性6.3%のみ。大腸菌が86.7%で最多。AFBNが両側性のもの48.7%であった。エコー検査は過去の報告では感度90%、特異度86.4%で腎腫大を認めるとされてきたが、本検討では腎腫大は21.9%に認めるのみで、低エコーのmassは2例0.84%のみであった。
急性腎盂腎炎で抗菌薬開始4日後も発熱が持続する場合はAFBNを疑い、その場合、造影CTがゴールドスタンダードであるが、MRI検査も良いオプションと考えられる。(MRIでT2WIで高信号、T1WIで低信号のmassとして描出される)

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