2022年12月28日水曜日

進行したCKDにおけるレニン・アンギオテンシン系の抑制

NEJM,2022,vol.387,no.22
Renin-Angiotensin System Inhibition in Advanced Chronic Kidney Disease

オープンラベルの多施設前向き研究(STOP-ACEi研究)。英国の39施設で、eGFR<30のCKDの成人で過去2年間でACEiまたはARB(RAS阻害薬)を処方された患者を対象とし、1対1で同薬を中止、継続に割付し観察。主要評価項目は3年後のeGFR。17290人中1210人がスクリーニングされ最終411人(63歳、男性68%、eGFR中央値18、eGFR<15は29%)がランダム化された。3年後のeGFRが中止群12.6vs継続群13.3で有意差なし。二次評価項目で末期腎不全+腎代替療法は62%vs56%でハザード比1.28(0.99-1.65)で有意差なし。有害事象では心血管イベントは中断群108vs継続群88で同様であった(52%vs43%で同様?)。

2022年12月14日水曜日

NVAFにおいて家庭血圧は脳卒中リスク、出血リスクを予測する。ANAFIE研究より

Hypertension,2022,vol.79
Home Bood Pressure Can Predictive the Risk for Stroke/Bleeding Events in Elderly Patients With Nonvalvular Atrial Fibrillation From the ANAFIE Registry

ANAFIE研究はNVAFで75歳以上の3万人以上のリアルワールドの前向き観察研究で、家庭血圧を1日4回(朝2回、夕2回)測定している人のデータを検討した。4933人(81.4±4.8歳、男性56.2%、CHA2DS2-VAScスコア4.4±1.3、HAS-BLEDスコア1.8±0.8)でH-BP:127.8/72.6であった。2年間観察し、脳卒中+全身性塞栓症115人、主要出血イベント76人発生した。脳卒中+塞栓症群、主要出血群、脳出血群は有意にH-BPが高値で、H-BP<125群に比して、H-BP>145群は脳血管障害のハザード比1.92、脳卒中+塞栓症のハザード比1.88、主要出血ハザード比2.92、頭蓋内出血3.07で有意に増加していた。全死亡のハザード比は1.19で有意差なし。H-BP<125に比してH-BP125-135群、135-145群はそれぞれ有意差なし。

2022年12月7日水曜日

ぺマフィブラートによる心血管リスクを下げるための中性脂肪低下

NEJM,2022,vol.387,no.21
Triglyceride Lowering with Pemafibrate to Reduce Cardiovascular Risk

PROMINENT試験、スポンサー、コーワ。24か国、876施設での二重盲検試験。2型糖尿病でTG200-499で、男性50歳、女性55歳以上のCV疾患の既往のない一次予防コホート、18歳以上のCV疾患既往ありの二次予防コホート。2017-2020年、10538人を1対1でペマフィブラート0.2㎎×2とプラセボに割付。主要評価項目:複合CVイベント(MI+虚血性脳卒中+不安定狭心症による入院+予定外のPCI+心血管死)。実薬群で年齢64.0歳、女性27.5%、白人85.4%、アジア系5.6%、BMI:32.0、スタチン併用95.8%、高用量スタチン69.4%、GLP-19.5%、SGLT2阻害薬17.1%、HbA1c中央値7.3。3.4年観察。2022年3月の中間解析(75%のイベント発生)の時点で、終了が勧告され、試験終了。結果はTG値の変化は実薬群vs対照群で-31.1vs-6.9で有意に減少していたが、複合CVイベントは実薬群で572vs560、100人年あたりでは3.60vs3.51で、ハザード比1.03(0.91-1.15)で有意差なしであった。有害事象では腎障害でハザード比1.12(1.04-1.20)で増加。肝障害はHR0.83(0.69-0.99)、非アルコール性脂肪肝疾患0.78(0.63-0.96)で有意に減らしていた。