2023年6月7日水曜日

皮膚エリテマトーデスに対する抗BDCA2抗体リティフィリマブへの臨床試験

NEJM,2022,vol.387,no.4
Trial of Anti-BDCA2 Antibody Litifilimab for Cutaneous Lups Erythematosus

皮膚エリテマトーデスに対する治療第1選択はステロイド外用およびヒドロキシクロロキンであるが、ステロイド外用のベネフィットは限定的であり、ヒドロキシクロロキンのメタ解析でも効果はさまざまである。リティフィリマブは血液樹状細胞抗原2に対するヒトIgG1モノクローナル抗体で、それは形質細胞様樹状細胞の表面にのみ発現し、形質細胞様樹状細胞はSLEの発症に関与するとされる。SLEに対するフェーズ1の治療では活動性のある皮膚病変の改善が見られた。LILAC研究のBパート、中等症~重症の皮膚エリテマトーデスのリティフィリマブの効果を検討した。リティフィリマブ皮下注治療を50mg、150、450、プラセボ群の4群に無作為に割付。皮膚エリテマトーデスの疾患活動性スコアであるCLASI-A(0-70)にて評価。132例でそれぞれ、26例、25例、48例、33例に割付。経口PSL15mg以下、ヒドロキシクロロキンの併用は許可。16週後のCLASI-Aのプラセボに対する変化率は50mg群-24.3、150mg群-33.4、450mg群-28.0であった。有害事象では過敏症3例、口唇ヘルペス3例、帯状疱疹髄膜炎1例があり、帯状疱疹髄膜炎例は4ヶ月後死亡した。
皮膚エリテマトーデスにおいてリティフィリマブは16週後の疾患活動性を低下させた。

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