2023年9月13日水曜日

発熱、下肢痛の18歳男性

NEJM,2023,vol.389,no.7
Case Records of the MGH
Case 25-2023: An 18-Year-Old Man with Fever and Foot Pain

ドラベ症候群(Naチャンネルα1サブユニットをコードする遺伝子変異による疾患)による痙攣を生後6か月で発症。発達障害、歩行障害を伴う。
2ヵ月前、両親は転倒後に左下肢の腫脹に気付き、ER受診しXPで異常なしとされた。2週前、左下肢腫脹が増悪し、下肢のMRIが施行され、足部に骨髄の浮腫が指摘されたが、骨折や関節水腫は認めず。副鼻腔炎の疑いでAMPC開始。その後38.3度の発熱。XPでは第2中足骨、立方骨に骨折あり。痙攣発作頻度が2-3日に1回から1日に2-3回に増加。歯肉炎があり、2週前より歯肉、鼻腔からの出血増加。軟便持続。CRP:2.39→7.4に悪化。鼻咽腔での感染症検査(SARS-CoV2、アデノ、ヒトメタニューモ、インフルエンザ、パラインフルエンザ、RS、ライノ、エンテロ等陰性。新たに圧痛のない紫斑が指、手、つま先に出現。患者はケトン食を実施していたが、7か月前にCOVID19を発症し、その際、嘔吐が改善するまでケトン食を減らしていた。

鑑別診断
骨髄炎
悪性疾患(リンパ腫、骨肉腫、ユーイング肉腫)
歯肉炎→ビタミンC欠乏、ビタミンC欠乏では血管脆弱性から出血傾向。ビタミンCは骨格系に重要な役割を果たし、骨芽細胞の遺伝子発現に関与し、ビタミンC欠乏では骨折リスクが増大。
診断的検査:ビタミンC濃度:0.1mg/dL以下(正常0.4-2.0)、ビタミンB1:68nmol/L(70-180)、B6:2μg/L(5-50)、25ヒドロキシビタミンD:23ng/mL(20-80)
診断:(ケトン食に関連した)ビタミンC欠乏

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