Case Records of the MGH
Case 8-2025: A 72-Year-Old Woman with Altered Mental Status and Acidemia
5年前に膀胱癌の既往があり、フルオロウラシル、マイトマイシンCの化学療法の既往あり。2週間前に血尿、排尿困難があり、シプロフロキサシンの投与を受ける。4日前、膀胱鏡検査にて、放射線膀胱炎、尿管癌の診断を受け、膀胱全摘術が予定された。膀胱鏡検査の2日後、2.5kgの体重増加があり、トルセミド、スピロノラクトンスの投与を受けた。その夜、興奮状態となり、翌朝、娘が救急要請。
7ヶ月前から傾眠傾向があり、高CO2血症のため、BiPAP、利尿剤投与あり。2型DMのため、ダパグリフロジン、メトホルミンの投与、他の投薬あり。
胸部XPでは肺うっ血、両側胸水、無気肺を認めた。
ICU入室時、ABGでpH:7.19、PaCO2:87、PaO2:81、AG:16→23→32、アセトアミノフェン、エタノール、サリチル酸は検出せず。
鑑別診断
ショック状態:敗血症性ショック、心不全、血管内脱水。
代謝性アシドーシス:高AG、呼吸性アシドーシスの代償。しかし、ICU入室後、さらにAG高値。
高AG代謝性アシドーシスの原因:GOLDMARK
G:エチレングリコール、O:オキシプロリン、L:乳酸、D:D-乳酸(まれ)、M:メタノール、A:アスピリン、R:腎不全、K:ケトアシドーシス
血中βヒドロキシ酪酸:9.1(<0.4)高値
診断;血糖正常性糖尿病性ケトアシドーシス
血糖正常性ケトアシドーシスは診断が遅れがちで、診断基準は、アニオンギャップ高値の代謝性アシドーシス、血中ケトン体高値、重炭酸イオンの低値。
糖尿病性ケトアシドーシスの原因:感染症、インスリン治療の中断、心筋梗塞、脳血管障害、膵炎、1型糖尿病の新規発症。本例ではSGLT2阻害薬の使用が考えられた。
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