2026年2月25日水曜日

咳と低酸素血症をきたした80歳女性

 NEJM,2026,vol.394,no.5
Case Records of the MGH
Case 4-2026: An 80-Year-Old Woman with Cough and Hypoxemia

8週間前から咳、鼻汁、頭痛、倦怠感、食思不振。3週後には鼻汁、頭痛は改善したが、咳、倦怠感、食思不振は持続。5週前、左側腹部に掻痒のある水疱を認め、帯状疱疹と診断され、バラシクロビルが投与。体重は6㎏減少。
既往歴として、1年前に左腋窩LN腫脹があり、原発不明の扁平上皮癌と診断。患者は独身で、マサチューセッツ州に居住。6年前にケニア、ルワンダ、タンザニア等へ旅行歴がある。
酸素飽和度93%、NT-proBNP:704pg/mL、RSVなどのウイルスパネル検査陰性、百日咳、クラミジア、マイコプラズマは陰性。肺CTでは肺尖部優位に両側にびまん性に末梢より中枢優位に、すりガラス影を認めた。

鑑別診断
感染症、癌、自己免疫性疾患
免疫抑制状態
風土病(ヒストプラズマ症、コクシジオイデス症、パラコクシジオイデス症)
HIV-1陽性、CD-4:33↓、βDグルカン強陽性(500以上)
HIV-1感染に伴うニューモシスチス肺炎
ST合剤で治療。本患者ではBAL液でC.neoformansが検出。このため、髄液検査追加→陰性。AIDSに対してはその後ART治療。

2026年2月18日水曜日

急性期虚血性脳卒中に対するミノサイクリンの効果と安全性、EMPHASIS研究、多施設二重盲検無作為化試験

 Lancet,2026
Efficacy and safety of minocycline in patients with acute ischaemic stroke(EMPHASIS): a multicetre, double-blind, randomised controlled trial

ミノサイクリンは虚血性脳卒中のモデルでミクログリアの抑制、MMPの阻害、脳実質への白血球遊走の抑制により、神経学的な転帰の改善が期待されるが、臨床試験の結果は一貫していない。中国の58施設で実施。18-80歳で、脳梗塞発症72時間以内、NIHSS:4-25点の患者を1:1にランダム化し、ランダム化後30分以内にミノサイクリン200mgを経口(経管)投与し、その後4日間、12時間毎に100mgを投与。その他の通常治療はガイドラインに従い経静脈的血栓溶解療法、血管内血栓回収療法を含めて許可。主要評価項目は90日後のmRS 0-1。
2023年5月から2024年5月に登録され、1724人がランダム化され、862人づつ割付。平均年齢65歳、NIHSS中央値5(4-7)、最初の投薬までの時間41.3H、tPA投与12.2%、血管内血栓回収療法2.4%、TOAST分類ではLAA:45.0%、脳塞栓5.7%、SVD:39.4%、その他3.5%、分類不能6.4%。90日後のmRS 0-1はミノサイクリン群52.6%vsプラセボ群47.4%で修正RR1.11(1.03-1.20)で有意に良好であった。hs-CRPは両群で差は認めず。90日の再発、有害事象に差を認めず。

2026年2月4日水曜日

入院を減らすための高用量インフルエンザワクチン

NEJM,2025,vol.393,no.23
High-Dose Influenza Vaccine to Reduce Hospitalization

 スペイン、ガリシア州で実臨床でのオープンラベル、ランダム化試験。65-79歳、2023-2024(59490人)、2024-2025(74986人)の2シーズンで、それぞれ実施。72.3±4.3歳、男性53.6%。主要評価項目はインフルエンザまたは肺炎による入院。主要評価項目のイベントは高用量群で174/67093(0.26%)、標準用量群227/66789(0.34%)、相対的ワクチン効果23.7%(95%CI、6.6-37.7)。インフルエンザによる入院は0.09%vs0.14%、相対的ワクチン効果31.8%(5.0-51.3)。重篤な有害事象は両群で差なし。