Hyperkalemia-Related Discontinuation of Renin-Angiotensin-Aldosterone System Inhibitors and Clonical Outcomes in CKD : A Population Based Cohort Study
CKDでのレニン・アンギオテンシン・アルドステロン系(RAAS)阻害薬の抗蛋白尿作用、CVイベント抑制効果は確立しているが、CKDにおける慢性の高カリウム血症ではRAAS阻害薬の中止、減量が一般的であるが、この戦略の長期予後は不明であり、住民ベースのコホート研究で検討した。カナダ、マニトバ州での診療データ(18歳以上)、オンタリオ州の診療データ(66歳以上)を用いて検討。eGFR<60のCKD患者で、RAAS阻害薬投与中でK≧5.5の初回高カリウム血症が指摘されたもので、90日が経過したもの(急性の高カリウム血症による死亡や転帰不良を除外するため)を対象とし、その時点でRAAS阻害薬を継続、中止群で検討。主要評価項目は全死亡。二次評価項目はCV死亡、CVイベント、透析導入。時間依存性共変量での解析も実施。マニトバコホートは7200人、74歳、女性47.5%、eGFR40.9、オンタリオコホートは71290人、79歳、女性51.7%、eGFR41.2。中止群は継続群に比して有意に高齢でカリウム値高値であった。カプラン・マイヤー曲線での生存率は継続群が有意に良好で、年齢や合併症、併用薬、カリウム値、eGFR等で調整したハザード比では、全死亡では継続群に比して中止群はマニトバでHR1.32(1.22-1.41)、オンタリオで1.47(1.41-1.52)で中止群の方が不良であり、CV死亡HR1.28、CVイベントHR1.17、透析導入HR1.65でどちらもコホートも同様の結果であった。時間依存性共変量での解析も同様の結果。またマニトバで35%、オンタリオで40%の患者がRAAS阻害薬を最大量で使用していたが、最大量継続、減量、中止で検討しても、透析導入を除く全死亡、CV死亡、CVイベントでは最大量継続が有意に良好であった。ベースラインのカリウム値が5.8以上や、AKI、敗血症でも同様の結果であった。
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