2022年11月16日水曜日

CKDにおけるエンパグリフロジン

NEJM,2022
Empagliflozin in Patients with Chronic Kidney Disease

CKDに対してSGLT2阻害薬であるダパグリフロジンは有用性を示したが、eGFR<30の症例に限定されていた。ENPA-KIDNEY試験によるエンパグリフロジンの評価。ベーリンガー・インゲルハイム社の提供あり。8カ国241施設で実施。対象はeGFR20-45のCKDおよびeGFR45-90で尿アルブミン・クレアチニン比200以上のCKD。主要評価項目は末期腎障害への進行(透析、腎移植、eGFR<10、ベースラインのeGFRの40%以下、腎疾患死)。6609人(63.8歳、女性33.2%、糖尿病なし54.0%、平均eGFR37.3±14.5、eGFR<30が34.5%)、中央値2.0年観察、624人が最初の主要イベントとなり、正式な中間評価にて試験終了となった。末期腎障害への進行+腎疾患死はエンパグリフロジン群3304人中432人13.1%vs対照群3305人中558人16.9%で、ハザード比0.72(0.64-0.82,p<0.001)で有意に減らしていた。全入院は24.8vs29.2入院/100人・年でハザード比0.86(0.78-0.95)で減少。心不全入院、全死亡は差なし。末期腎障害への進行のハザード比0.71(0.59-0.89)。有害事象では重篤な尿路感染で1.6%vs1.6%、高カリウム血症2.8%vs3.3%、急性腎障害3.2%vs4.1%で差なし。サブグループ解析でも糖尿病の有無、eGFRの程度によっても主要イベントに差なし。尿アルブミン・クレアチニン比では300以上でエンパグリフロジン群で改善を認めた。

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