2024年4月10日水曜日

体動困難の84歳男性

NEJM,2024,vol.390,no.20
Case Records of the MGH
Case 9-2024: A 84-Year-Old Man with Fall

3週間前に一過性肉眼的血尿。1週間前に失語、右上肢しびれ(その2週前よりリバロキサパン開始)。他院に入院し、MRIでは微小血管虚血性変化を認めるのみで、TIAと診断。経胸心エコーではLVEF:60%、中等度MR、軽度AR。今回、浴室で倒れていたのが発見されER搬送。全身的な筋力低下、ふらつきあり。既往歴はAF、心不全、COPD、高血圧、抑うつ状態、前立腺がん。発熱なし、左肘屈側に紅斑あり。同部はエコーにて血流のない低エコー病変(1.7×0.5×1.3㎝)があるも、形成外科にて特に外科的処置を要しないとのコメント。尿培養でMSSA検出。また、第1入院病日の血培でグラム陽性球菌が4検体中1つから検出。体部造影CTでは、左副腎に結節影、胸部大動脈瘤あり。第3入院病日、突如、胸痛を訴え、動けない状態。 

鑑別診断
尿培養でMSSA検出されているが、尿道カテーテルがない場合、血行性の感染を考えるべき。
診断的検査
CTA再検にて仮性胸部大動脈瘤の拡大(19→30mm)あり。血培のグラム陽性球菌はMSSA。
最終診断:MSSAによる菌血症、感染性大動脈瘤
治療:
VCM中止しCEZに変更。胸部大動脈瘤に対しては、ステントグラフト挿入術。6週間の抗菌薬点滴後、長期の経口抗菌薬治療へ。

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