Case Records of the MGH
Case 23-2024: A 78-Year-Old Woman with Rapidly Progressive Dementia
3年前より軽度の記憶の問題が指摘。5ヶ月前、姉の死後、感情の平板化あり。4ヶ月前、言葉が急に出なくなる事があり、他院入院。MRIで右前頭葉にDWIで高信号スポット、両側前角周囲深部白質にFLAIRで虚血性変化。MRA正常。アスピリン開始。その後も、物忘れ増悪あり。
他の病歴としては、2型DM、17年前乳癌で乳腺腫瘍切除術、化学放射線療法歴。14年前、ステージ1の肺腺癌手術歴。13ヶ月前に右上肺に7mm大結節。
意識清明、発話は不注意で、関係のないことを話し、流暢。筋力、感覚、深部腱反射、小脳機能正常。造影MRIでは両側の側頭葉内側にT2WI、FLAIRで新たな高信号域あり。両側半球に微小出血あり。髄液検査、蛋白47、オリゴクローナルバンド陽性、HSV核酸テスト陰性、脳波では両側の側頭葉にてんかん波、PLEDs出現あり。
鑑別診断
脳アミロイドアンギオパチー関連炎症
PACNS
自己免疫性脳炎(傍腫瘍神経症候群含む)
血管内リンパ腫
HSV脳炎
次のステップ
自己抗体の検索(抗Hu、AMPA、GABA、GAD)
CAA関連炎症を疑う場合、脳生検
造影CTにて、縦隔、左肺門、肺門周囲LN腫脹。PET-CTで、同部に転移性リンパ節腫脹を示唆する所見と左下肺に肺癌を示唆する所見。気管支FSにて針生検実施し、免疫組織化学染色検査にて、小細胞癌。血清、髄液にて、ANNA-1(抗Hu抗体)陽性。
治療
3日間のグルココルチコイド静注療法、シクロフォスファミド治療。脳波所見よりラコサミド。