Toxic Shock Syndrome: A Literature Review
TSSは超抗原性外毒素の分泌→T細胞活性化→非特異的なポリクローナルなリンパ球活性化→大規模な炎症性サイトカインの分泌→毛細血管透過性亢進、血圧低下、臓器不全、凝固能亢進。
黄ブ菌によるTSS:発熱、びまん性紅斑、発症から1-2週後に特に手掌・足底の落屑、低血圧、臓器障害をきたす。人口10万人あたり0.03-0.07人。
月経関連の黄ブ菌TSS:米国の女性262人のコホート研究では22.9%に腟内に黄ブ菌陽性で、4.2%にTSST-1産生黄ブ菌であったとされる。月経関連TSSでは全例血培陰性であった。仏の102例の月経関連TSSの報告では全例がタンポンを使用し、頻脈、高熱を認め、87%に皮疹、50%に粘膜病変、消化器症状、頭痛を認め、84%が昇圧剤、21%で呼吸器管理が必要であった。
非月経関連の黄ブ菌TSS:術後が最も多い。一般手術の他、産後、中絶後もある。術後4日目が最も多く、血培陽性50%。
仏に月経関連黄ブ菌TSS102例ではMRSAはなかったが、英の180例(107例が非月経)では3.8%にMRSAを認め、米国の61例のTSSでも7%にMRSAを認めた。ヒトの鼻腔には20-80%でTSST-1産生黄ブ菌が定着しているとされる。カブールにおける健常人150人の鼻腔では68.4%にTSST-1産生のMRSAを検出したとする報告がある。
連鎖球菌によるTSS(STSS):化膿連鎖球菌(Streptococcus pyogenes )の重症例の8-22%がSTSSに進行する。壊死性軟部組織感染症の40-50%がSTSSに進行する。血培は60-86%に陽性となる。皮膚損傷のない軽微な外傷、肺炎、子宮内避妊具、化膿性関節炎、熱傷、水痘、産後等もSTSSの原因となる。
STSSは50-69歳に多い。アルコール多飲、NSAIDs使用はリスクとされ、議論はあるが、NSAIDsは壊死性皮膚炎のリスクが3倍とされる。ノースヨークシャーの14例のSTSSでは低血圧100%、急性腎不全93%、肝不全57%、DIC64%、MOF43%で、71%が壊死性皮膚炎であった。
IVIGによるSTSSの治療:欧州の他施設研究では死亡率がIVIG群10%vs非IVIG群36%であったが、有意ではなかった。別のRTCではIVIGで死亡に対して有用性は示せず。
黄ブ菌TSSの死亡率5%、連鎖球菌TSSの死亡率14-64%。
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