2024年7月24日水曜日

関節炎、皮疹をきたした46歳男性

NEJM,2024,vol.390,no.23
Case Records of the MGH
Case 19-2024: A 46-Year-Old Man with Arthritis and Rash

1週間前にたちくらみがあり、4日後、再び、たちくらみがあり、ER受診。体温36.3度、BP147/80,HR109、手・足関節に腫脹あり。赤沈104mm。CRP:0.63、造影CT異常なし。リウマチ科外来紹介。14週前に手関節腫脹、増悪。両側の早朝のこわばりあり。さらに胸部、背部、下肢に皮疹出現。皮疹は夜間の掻痒を伴う、手掌には出現せず。脱毛、食思不振があり、8kg体重減少。2週前には鼻出血あり。違法薬物の使用なし。男性との性交渉があり、5ヶ月前から新しいパートナーと性交渉がある。祖母が乾癬の家族歴。
頭皮には多発性の小さな脱毛部位があり、外鼻孔の遠位に痂皮あり。左の口交連に潰瘍あり。頚部LN腫脹なし。手・足関節は腫脹、熱感あり。いくつかのMP関節腫脹あり。体幹の皮疹は色素沈着のある斑状の皮疹で、体幹の皮疹の一部は落屑あり。

鑑別診断
尋常性乾癬
ANCA関連血管炎、IgA血管炎、ベーチェット病、クリオグロブリン血症などの全身性血管炎
SLE、サルコイドーシス、VEXAS症候群
結核反応性関節炎(Poncet病)
関節炎を起こすアルファウイルス疾患(チクングニアウイルス(カリブ海地域)、マヤロウイルス(南米)
パルボウイルスB19
梅毒
→TP抗体陽性、RPRテスト256倍

梅毒に対しては非経口投与のペニシリンが推奨。2期梅毒にはペニシリンGベンザチン筋注が推奨。2期梅毒の患者の90日以内に性交渉のあるパートナーにはエンピリカル治療要。梅毒患者では、HIV、クラミジア、淋菌の評価が必要。

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