2024年8月7日水曜日

日本の大規模データベースにおいて、ランソプラゾールとセフトリアキソンの併用は心室性不整脈のリスク増加と関連する

J of Infection,2024,vol.89
Concomitant use of lansoprazole and ceftriaxone is associated with an increased risk of ventricular arrhythmias and cardiac arrest in a large Japanese hospital database

PPIおよびセフトリアキソンは、心筋細胞でのhERGチャンネルをブロックし、QT延長をきたす可能性が指摘されている。全米退役者コホート研究では、PPIによりQT延長のリスクが20-40%増加するとされている。JMDCは日本の600以上の病院の入院、外来患者1500万人以上のデータベースで、そのデータで後方視的コホート研究を行った。
2014-2022年の1547万人のデータで、CTRXおよびABPC/SBTとPPIを併用した患者18万人で、30日以内の心室性不整脈や心停止例などを除外し、CTRX併用例55437人、ABPC/SBT例49864人で、主要評価項目は心室性不整脈、心停止。対象の平均年齢81歳、心室性不整脈・心停止はCTRXで187人0.34%、ABPC/SBTで82人0.16%で、Fine-Gray競合リスク回帰分析にて、ABPC/SBT+ランソプラゾールに対して、CTRX+ランソプラゾールは、HR2.92(1.99-4.29)で有意にリスクが増大していた。また、CTRX+ランソプラゾール静注ではHR:4.57(1.24-16.80)、CTRX+オメプラゾール静注でHR:4.47(1.44-13.90)でリスク増加。

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