Case Records of the MGH
Case 32-2025: A 79-Year-Old Man with Dyspnea, Edema, and Pacemaker-Lead Displacement
2ヵ月前に労作時呼吸困難をきたし、心電図にて徐脈性の接合部リズムで洞停止を認め、永久心臓ペースメーカ留置。dual-chamber pacemakerの植込み予定であったが、右房のセンシング閾値が低く、ペーシング閾値が高く、技術的に困難で、最終、右房開口部にリードが留置された。ペースメーカ留置後、調子が良かったが、その1ヶ月後、再び両上下肢浮腫、呼吸苦が悪化。心エコーにて、1か月前には認めなかった右房内に5×4㎝大の不規則な低エコー腫瘤が見られた。造影CTでは、不規則な腫瘤で、縦隔に多発性のリンパ節腫大を認め、PET-CTでも縦隔に異常集積は認めたが、他には明らかな異常は認めず。
鑑別診断
右房内腫瘤:感染性心内膜炎、転移性心臓腫瘍(乳癌、腎癌、メラノーマ、リンパ腫)、良性原発性心臓腫瘍(粘液腫(左房に多い)、脂肪腫、乳頭状弾性線維腫など)、悪性原発性心臓腫瘍(血管肉腫、横紋筋肉腫、悪性リンパ腫)
悪性リンパ腫はHIV、EBV、臓器移植をリスク因子とし、最近、増加傾向。その中で、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫DLBCLが最も多い。
診断的検査:右心房腫瘤への経静脈的生検は塞栓症や血管・心房損傷のリスク大。経気管支的に針生検を実施し、病理にDLBCL確定。
最初にリツキシマブ、ビンクリスチン、PSLで治療を行い、2期目はR-CHOPレジメで治療。当初、経過良好であったが、その後、腫瘍サイズ大きくなり、診断から10か月後、死亡。
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