Digitoxin in Patients with Heart Failure and Reduced Ejection Fraction
1997年のDIG研究では、主要評価項目である全死亡でジゴキシンは優位性を示せなかった。同研究の事後解析で、ジゴキシン濃度の低い群(0.5-0.9ng/mL)では臨牀転帰が良好であった。DIG研究から10年以上が経過し、ARNI、SGLT2阻害薬や様々な心臓デバイスが登場した中で、DIGIT-HF研究として、ジギトキシンについて、二重盲検多施設RCTをドイツ、オーストリア、セルビアの65施設で実施した。対象はNYHA3-4でLVEF≦40またはNYHA2でEF≦30のもの。1対1に割付し、ジギトキシン0.07㎎/日投与、血中濃度wp8-18ng/mlに調整。主要評価項目は全死亡+心不全増悪初回入院。当初、80%のパワーで有意差を出すために、2190例、734イベントが必要と計算。2015年より患者の登録を開始したが、2023年までに1240人が登録され、1212例がランダム化(ジギトキシン群613例(66歳、女性19.9%、LVEF28%、eGFR:65,ICD:67%、CRT:26%、β阻害薬96%、ARNI:40%、MRA:76%、SGLT2阻害薬19%)対照群599例)された。中央値36ヶ月観察、薬剤投与期間は肘頭地18ヶ月(0-107ヶ月)薬剤中断率はジギ群58.9%vs対照群55.1%。全死亡+心不全増悪初回入院は39.5%vs44.1%、ハザード比0.82(0.69-0.98)で有意に良好であった。NNTは22.有害事象による薬剤中断は9.1%vs10.2%。