2024年10月2日水曜日

蕁麻疹と癌のリスク:デンマーク国民コホート研究より

Br J Delmatol,2024
Urticaria and the risk of a cancer : a Danish population-based cohort study

蕁麻疹が不顕性癌と関連しているとする報告がある。しかし、蕁麻疹と癌の疫学的な関連を調べた研究は2本のみで、スウェーデンの研究は関連がないとされ、台湾の研究では慢性蕁麻疹では癌のリスクが2倍と報告された。
人口580万人のデンマークでは税金によって運営されるヘルスケアに自由にアクセスできる。今回の研究は3つ(デンマーク市民登録システムCRS、デンマーク全国患者登録DNPR、デンマーク癌登録DCR)のデータベースを用いた。蕁麻疹についてはDNPRで1980年~2022年で、一次・二次病院ER、入院患者で蕁麻疹と診断されたもの。87507人が登録され、50歳以上22%、58.1%が女性。これらを中央値10.1年フォローした。全癌リスクは0.7%。標準化発生比SIRは1.09(1.06-1.11)。蕁麻疹後、最初の1年間で癌と診断されたものは588人で、SIRは1.49(1.38-1.62)。最初の1年間では、それぞれの癌ではホジキン病でSIR;5.35(2.56-9.85)、非ホジキン型リンパ腫で2.91、リンパ性白血病で2.46,多発骨髄腫2.53、肺癌1.95等であった。

0 件のコメント:

コメントを投稿