Case Records of the MGH
Case 16-2023: A 13-Year-Old Boy with Depression and Hypotension
ADHD、境界型人格障害、大うつ病の13歳少年。自傷行為、希死念慮で入院繰り返す。3週間前に退院。抑うつ状態、希死念慮の悪化によりER受診。ERより精神科病院への転院が要請されたが、空床なくER待機。ERの急性期精神科病床での41日目、オランザピンの定期内服。12時間後、BP69/39、HR88。不快感、立ちくらみ、嘔気、腹痛の訴え。3時間後、BP79/45、HR85。血液、尿の中毒検査は陰性。腹部造影CT異常なし。
鑑別診断
分布異常性ショック、循環血液量減少性ショック、心原性ショック(小児では心筋炎、ライム心筋炎など)、閉塞性ショック(心タンポナーデ、肺塞栓、緊張性気胸)、
薬物効果:12時間後も血圧低下、徐脈持続。オランザピンは血圧低下の作用あり、しかし、徐脈はそれほどない。グアンファシン、クロニジンはα2アドレナリン作動薬は降圧薬であり、ADHDなどの行動異常に用いられる薬剤で、治療域は狭く、過量では昏迷、徐脈、血圧低下をきたす。
最終診断:α2アドレナリン作動薬中毒
本人に直接尋ねると、部屋に置かれていたグアンファシンのボトルの薬剤を飲んだとのこと。
治療:輸液。加えてノルエピネフリンなどの昇圧剤。症候性徐脈にはアトロピン。リバース効果を期待してナロキソン。
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