2022年7月13日水曜日

プライマリケアにおける抗うつ薬の継続と中止

NEJM,2021,vol.385,no.14
Maintenance or Discontinuation of Antidepressants in Primary Care

ANTLER研究として、最低9か月以上投与した抗うつ薬の維持療法と治療終了を比較した。英国の150カ所の一般診療所で多施設無作為化二重盲検試験として実施。シタロプリム(日本未承認)、セルトラリン(ジェイゾロフト)、フルオキセチン(日本未承認)、ミルタザピン(リフレックス)を内服中の患者を対象。英国ではプライマリケアでは広く使用されていないエスシタロプリム(レクサプロ)および中止時の離脱症状の可能性のあるパロキセチン(パキシル)は除外。継続群と中止群は1対1に無作為に割り付けられ、中止群に割り付けられると、薬局に連絡が行き、最初の1ヶ月は半量に減量、2か月目はプラセボと半量を交互に、3か月目はプラセボに変更される。主要評価項目は52週時点でのうつ病の再燃。うつ病再燃の定義はCIS-Rの抑うつ症状の新たなエピソードの発生とした。二次評価項目としてPHQ-9、GAD-7、SF-12などの8つの項目で評価。23553人から478人がランダム化され、238人(54±13歳、女性71%、既婚61%、セルトラリン17%、シタロプリム47%、フルオキセチン32%、ミルタザピン4%)が維持群、240人が中止群に割付。52週でうつ病再燃は維持群39%、中止群56%でハザード比2.06(1.56-2.70)であった。有害事象は維持群4%、中止群3%で、両群とも自死はなし。

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