2022年8月24日水曜日

糖尿病と心不全進展(ARIC研究から)

JACC,2022,vol.79,no.23
Diabetes and Progression of Heart Failure 
-The Atherosclerosis Risk In Communities(ARIC) Study-

ARIC研究は米国4地域15792人が参加した研究であるが、その5回目、2011-2013年の観察6538人で心エコー検査を実施。心不全ステージCやデータ欠損を除外した4774人(75.4±5.1歳、女性58%、DM30%、ステージAのHF32.5%)で検討した。主要評価項目は急性非代償性HFまたは慢性安定HF。8.6年観察し、470HFイベント発生。ステージAのHFでDMなしではHFイベントは3.6/1000人・年に対し、DMありで5.7であった。腎機能、LDLコレステロール、血圧、血圧治療などで調整したハザード比ではステージAでDMなしに対し、DMありでHR1.56(0.86-2.85)、ステージB、DMなしでHR4.16(2.78-6.21)、ステージB、DMありでHR5.32(3.48-8.13)であった。さらにHbA1c≧7.0でみると、DMなし、ステージAに対し、HbA1c≧7.0、ステージAのHFイベントはHR1.52(0.53-4.38)であったが、イベント発生の年齢は若年化し、ステージB、HbAic≧7.0でHR7.56(4.68-12.20)であった。
ステージA、BでのDM管理がHF進展阻止に重要であることが示された。

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